Prime Video TV広告(Amazon Streaming TV Ads)は、ブランド認知から購買促進まで幅広いマーケティングゴールを支援する強力なフォーマットです。この記事では、Prime Video TV広告における目的別のKPI(重要業績評価指標)と、各KPIに基づいた分析の具体例について詳しく紹介します。
ブランド認知向上が目的の場合
主なKPI:
- Impressions(表示回数)
広告が何回表示されたか。ターゲットセグメントへのリーチ拡大を評価。
- Reach(ユニーク視聴者数)
広告に接触したユニークユーザー数。
Frequency(平均接触回数)
1ユーザーあたりの広告視聴回数。過剰接触を避けつつ最適回数を見極める。
- View-through Rate(VTR)
例:15秒広告の75%以上を視聴したユーザーの割合。
- Video Completion Rate(VCR)
最後まで広告を視聴した率。
- Brand Lift調査
認知・想起・好意度の変化をアンケートなどで定量化。
- CPM(Cost per Mille)
1000回表示あたりの広告コスト。
目安:
- VTR:70〜90%
- VCR:50〜80%
- CPM:¥300〜¥1,200(配信条件により変動)
分析例:
- 地域・性別・年齢層別のVTR比較 → 認知が強いセグメントを特定
- 週次でのImpression推移 × Brand Liftスコア → 時系列でのブランド認知効果を可視化
検討促進が目的の場合
主なKPI:
- DPVR(Detail Page View Rate)
広告視聴後に商品詳細ページを訪問した割合。1%以上が目安。
- Branded Search Uplift
Amazon内でのブランド検索がどれだけ増加したか。
- CTR(Click-through Rate)…
インタラクティブ機能付き広告でクリック率を測定。
- Session Lift / Time to Visit …
広告接触後のセッション開始率や訪問までの平均時間など。
補足: Prime Video広告はクリック非対応のケースもあるため、ポストビュー行動(視聴後の検索・訪問など)を重視する必要があります。
分析例:
- 広告配信時間帯別のDPVRを比較し、最もエンゲージメントの高い放映タイミングを特定
- ブランド名検索ボリュームの広告前後比較(Branded Search Lift)で、興味喚起効果を定量評価
購買促進が目的の場合
主なKPI:
- ROAS(Return on Ad Spend)
広告費に対する売上。2〜5以上が目標値とされる。
- ACoS(広告費売上比率)
Amazon広告特有の指標(広告費 ÷ 売上)。
- Add to Cart / Purchase Rate
商品がカートに追加された・購入された割合。
- NTB(New-to-Brand)購入率
新規顧客の獲得効果。
- Total Sales Lift
広告によって生じた売上の増加分。
- Cross-channel Attribution
他チャネル(DSP・ディスプレイなど)との連携効果の可視化。
参考値:
- ROAS:2〜5以上
- NTB率:30〜70%(ブランドや価格帯による)
分析例:
- 広告接触者のCVRを未接触者と比較し、視聴効果を検証
- 「広告接触 → 検索 → 詳細閲覧 → カート → 購入」というファネルを追跡し、最適化ポイントを特定
- NTB購入者のLTV(90日間)を既存顧客と比較してROI判断
最後に:Prime Video TV広告を最大化するための鍵

Prime Video TV広告は、従来のクリック主導型広告では捉えきれない“ブランドと売上の中間”を埋める貴重な施策です。目的に応じたKPIを設計し、確実に成果を可視化していくことが、成功の鍵となるでしょう。